「コンニチハ!!」
「だれに用?だれかのおとーさん?」
「それともせんせい?メナナ先生?」
「校長先生はいるか?」
騒ぐ子供に囲まれながら、やっと、その言葉を言うことができた。
「こーちょーせんせい!」
「こーちょーせんせいだ!!」
「こーちょ先生はね。あっちにいるよ。」
子供たちがいっせいに指をさす。
「わかった。ありがとう。はやくかえれよ。」
子供たちにやさしくいう。子供たちは手を振りながら、彼に別れの言葉を言った。
「バイバイ、お兄ちゃん!」
彼は、やさしくその手を振った。そして向き直る。
「ひさしぶりだな・・・・」
そして、子供たちが教えてくれたほうへ、歩いていった。
「懐かしいわね。ヴィラル。」
彼女は、そういってヴィラルを歓迎した。
「リーロンは相変わらずかしら?」
「なぜ、あいつのことをきく。」
ヴィラルが眉間のしわを少し寄せると、ヨーコ・・・マヨコ校長先生は面白そうに笑った。
「それで、なんのようなのかしら?」
そういってくすくすと笑うと、立ち上がり、お茶を用意し始めた。
「そんなに、長くはかからない。」
ヴィラルは、動くマヨコの動きを眺めながらそういった。
「シモンがこの前、目撃された。」
マヨコの動きが一瞬だけ止まり、すぐにまた再開される。
「・・・そう。」
「この20年一度も目撃されなかった。」
「わたしには、関係ないわよ。」
マヨコはヴィラルのほうを見て、少女のように笑った。
ヴィラルは目を細めて、彼女の顔を見た。
「いくと決めたら行くのがあいつの道よ。わたしたちがどうこうできるものじゃないわ。でも・・・元気なのね。・・・よかった。」
「そういうとは思っていたが・・・。」
「それよりヴィラルあなたのことを教えて。ちょっと見えにくいけれど、髪の毛切ったわね。昔より短いかしら?それに、若返ってるような気がするわ・・・艦長はどうなの?」
「ああ、まあ、楽しい仕事だな。」
「あぁ、よかった。ごめんなさい、最近どうも目が・・・狙撃手としてはもうだめね。」
ヨマコは、ヴィラルと自分のお茶を置いた。彼女はすぐにお茶に手をつけたが、ヴィラルは、まだ手をつけない。
「あなたはかわらないわね。」
マヨコはまぶしそうにヴィラルを見る。ヴィラルもまぶしそうに目を細めてヨマコの顔を見つめた。
昔よりだいぶ下がった目じりと頬に。顔に刻まれた皺。
教科書にのっている若かりしころのヨーコの面影は、ほぼ、消えていた。
「お前は結局誰とも結婚しなかったな。シモンも・・・」
「わたしは、学校の生徒が子供よ。」
「人間には伝えるための生殖機能があるのにどうして・・・」
「それ以上言うとセクハラよ。さすがにこの年だしはずかしいわ。伝えることは伝えたし、ヴィラル。あなたもいる。それに・・・わたしが生涯で一回、好きになった漢も、愛した男も。通り過ぎるだけ、とおりすぎてしまったもの。」
お茶から立ち上る湯気が消えていった。ヴィラルはやっとお茶に口をつける。
「あなたはまだ子供がほしいの?」
「・・・・・・・・」
「ふふっちょっと、野暮かしら・・・。」
「あれは、あまい夢だったんだ。」
「そう?」
ふたりでお茶に口をつけた。
「わたしは、だれをうらやんだりもしないわ。衰えていく自分も別に、嫌には思わない。いつまでもかわらないあなたも。」
「人間は老いるものだからな。」
「ええ。」
ヨマコは静かに笑う。
「・・・獣人はきえゆくだけなの。老いる人間はだからしぶとい。」
「そうだな。」
「後悔なんてしてないわよ。とても、とてもいい人生だった。これまでも、これからもね。」
「・・・そうか。」
「でも、ヴィラル。あなたにはつらいかもね・・・。」
「いや、大丈夫だ。もうそろそろ慣れてきた。」
「・・・人間は、老いるのが早いからこそたくさんのことを感じることができるのよ。きっと。」
「・・・・・・・・・」
「でも、だからといって、獣人には感じられないわけじゃないわ。」
二人はティーカップをおいた。
「わかった。オレもいそがしいんで・・・これで・・・・」
ヴィラルが立ち上がる。ヨマコも立ち上がり、彼のてを握り締めた。
「がんばってきなさいよ!」
ヴィラルは笑ってこたえた。
「おお!!」
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グレンラガンです・・・。
ヴィラルかわっていませんでしたね。
あれです。あのあと獣人たちはどうなるんでしょうか?
クローンでこどもつくるのかな?
そのうち、ヴィラルの夢の話もかきたいなあ。と、希望してます。
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